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p213

磁性体について補足

イジング相互作用はハイゼンベルグモデル(ハイゼンベルグモデルでは,スピンは3次元ベクトルσ として表現され,スピン間相互作用はスピン間スカラー積σ_i · σ_j に比例するネルギーを持つとされる.こときたとえばx-方向成分結合が特に強い異方的な相互作用あるときはイジングモデルに似てくる.) の異方性きつい場合として実現され,ハイゼンベルグ相互作用そは,原子間電子交換相互作用として量子力学的に理解することができる(たとえば,小口武彦「磁性体統計理論」(裳華房) 参照.古典力学的には磁性相互作用はでてこない).しかし,量子力学的に相互作用正当性が説明できることは相変化理解にとって本質でない.もちろん,物性工学的にある性質を持った磁性体を作りたいというときには指針として重要である.さらに,自然がある種原子作る結晶で磁性体を作るためにもたぶん本質的だろう.しかし,磁性体に見られるタイプ「相変化」を実現するにスピンやそイジング相互作用が必須なわけではない.

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