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物理における情報意味

エネルギーと並んで情報は物理学においてきわめて基本的な量であるとみな考えている.しかし,情報に関する問題に少しでも触れている基本理論は熱力学くらいである.そして,ふつう見方では熱力学は基本的学問ではないで,今まで物理は情報をそれほど真剣に取り扱ってこなかったといっていい.エネルギーと並んで情報はミクロスコピックには保存される量であると考えられている.上に見たようにある状態() がもつ情報量はそれを実現するよりミクロなレベル状態数で決まるとする見方に立てば,ミクロな状態を要素事象と考える限り,情報は保存されなくてはならない.それぞれ要素事象がもっと根源的な事象組み合わせであるならば,数えなおしが必要となり,よりミクロな情報分だけ情報量が嵩上げされるが,保存則はびくともしない.むしろ,保存則が破れていれば,それは要素事象認識を誤ったからであると考えることになるだろう.こう考えると,情報量保存則は経験事実であると言うよりは要素的事象で世界が記述できるという信念表明であるように見える.しかし,それはウソかもしれない(付録2.4A のJordan 測度とLebesgue 測度違いを思い起こそう) ( 未完 )

要素事象観測可能性

もしも要素事象を直接観測できないとき,いかにして情報量を測定するか? これは熱力学を作ることなではないだろうか. ( 未完 )